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PSA推移グラフからの考察

 

 多くの方のPSA推移グラフと病状変化や治療法を診させてもらうと、およそ次のような傾向が推測できます。(私は医者ではありませんのでその点はご理解ください)

 ①

初期診断において、転移癌が見つかった場合は、治療方法としてはホルモン療法しか選択肢がないと思われます。

 ②

初期診断において、PSA値が高い(医者の判断によって異なりますが、おおむね10以上)場合は、まずホルモン治療をほぼ6か月間行いPSA値を下げてから、全摘手術や放射線治療が行われます。(注 京都大学)

 ③

②の初期ホルモン治療の効果は人によって千差万別です。治療後1~2か月でPSAが0.01以下になる方(ホルモン感受性が高い)、それとは逆に何か月あるいは1~2年かかって0.1以下になる方もおられます。

 ④

ホルモン治療は、リュープリンやカソデックスがよく使われています。下記のサイトに詳しい説明があります。
 http://www.uro.med.tohoku.ac.jp/patient_info/ic/tre_p_c_04.html

 ⑤

手術療法では前立腺をすべて切除する方法が取られます。詳しくは下記のサイトを参照ください。
 https://www.zenritsusengan.sanofi.co.jp/about_surgery.html
術後のPSAが0.2を超えると「再発」が疑われます。手術により前立腺が削除されていますので、PSAの上昇は転移癌の可能性が高く、画像診断によって転移部位が確認された場合は外部放射線治療を、転移部位が確認されない場合はホルモン治療をすることになります。

 ⑥

外部放射線照射治療法には、現在強度変調放射線治療(IMRT)と強度変調回転照射(VMAT)があります。放射線によって、正常細胞も同様にダメージを受けますが、がん細胞とは異なり自分自身で修復することができます。このちがいを利用した治療法です。ホルモン治療と併用して行われることが多い。詳しくは下記のサイトを参照してください。
 https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/treatment/radiation/imrt.html
治療後にPSAが2.0を超えると「再発」が疑われます。放射線治療により組織の癒着が激しくなるため、再発時の手術は困難となります。小線源治療もまれに行われますが、ホルモン治療が圧倒的に多いです。

 ⑦

内部放射線治療法 小線源治療(ブラキセラピー)は、ヨウ素125を用いた永久小線源留置は微弱な放射線を発する小さなチタン製の密封容器(シード線源)を数十個前立腺内に埋め込み、前立腺内部から癌の治療を行うものです。詳しくは下記の岡本先生のサイトを参照ください。
 https://syousengen.net/guide/ldr-okamoto/
この治療法は通常外部放射線(IMRT)を併用して行われます。しかしながら、遠隔転移があったり経直腸超音波診断が十分にできない場合はこの治療法が適用できません。
治療後にPSAが2.0を超えると「再発」が疑われますが、圧倒的に再発リスクが低く、予後の状態も落ち着いたものになります。  

 ⑧

外部放射線治療後のホルモン治療は、通常6か月から2年間行われています。しかしながら、継続したホルモン治療により癌が抵抗性を獲得する「再燃」が生じ「去勢抵抗性癌」に変化する場合があります。その期間はおおむね5年間と言われています。
これを少しでも遅らせるために「ホルモン間欠治療」が行われることがあります。その有用性ははっきりと大きなものではありませんが、経費や予後の面で継続治療より優れています。
また、ここ数年で「去勢抵抗性癌」に対する新薬が続々と登場し、現在でも治験が行われています。必ずしもすべての人に新薬が適合するわけではありません。癌遺伝子検査によって適合性を診断する技術も進歩しています。経費面や副作用での負担は大きいですが、期待が持てる状況です。詳しくは下記のサイトを参照ください
 https://cancer.qlife.jp/prostate/prostate_feature/article2689.html

 ⑨

ホルモン治療は、その継続期間によって休薬後の効果の持続期間も変わります。継続期間が6か月の場合は概ね1年~2年間、継続期間が2年間の場合は3年~5年間PSAの上昇が抑えられます。この効果持続期間の長さは、テストステロン(男性ホルモン)の上昇速度に関連し、癌の悪性度(グリソンスコアや進展度)によって短くなり、また治療回数が増すごとに短くなります。
テストステロンの値が50以下でPSAの上昇が見られた場合は、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に移行したと考えられます。

 ⑩

前立腺がんの治療に当たっては、病院での治療の他に食事療法も重要であることが分かります。免疫力を高めることで、本来体に備わっている癌細胞を打ち消したり細胞増殖を抑えたりする食品。整腸作用を促進させ善玉菌を増やす食品。ホルモン剤・食品添加物・農薬・殺虫剤等など有害な薬品が含まれていない食品などを摂取することが重要です。特に取りすぎては行けない食品としては、
 〇 豚肉・牛肉などのいわゆる四つ足動物の肉
 〇 牛乳及び乳製品
 〇 炭水化物や糖類の過剰摂取
 〇 古い酸化した油脂類
 〇 輸入食品(小麦や大豆も含む)でポストハーベスト農薬を散布されたもの
これらは正常細胞よりも癌細胞の増殖を助長する働きがあるようです。
逆に特に多く摂取したい食品は、
 〇 大豆や大豆を原料とした食品(できるだけ国産を)
 〇 納豆・味噌・漬物などの発酵食品
 〇 ネギ・ニンニク・玉ねぎなどのネギ類
 〇 無農薬の緑黄色野菜
なお、下記のサイトを参照してください。
 https://www.akiramenai-gan.com/qol/meal/22944/
 https://nanri-urology.com/disease/pcdiet
 http://zenritsusen.fc2web.com/syokujia.htm