公教育導入に関する調査報告について          
平成5年11月 
全国教護院協議会 
<抜粋>
1.公教育導入に関する法的根拠の確立について
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  個別学習を中心としてわかりやすい学習に取り組み、入所前には学習に背を向けていた子どもたちの基礎学力アップ、上級学校進学を目指す意欲、学力とも向上し教護院での教育の成果をあげている。逆に言えば、教護院に入っていなかったらば、学校のおちこぼれのまま姿を消しているのではないでしょうか。文部省側がもっとこの実績を評価して「教護院の教育方式」を理解してくれれば一挙に問題は解決すると考えます。
  一方では反省もあります。生活指導・作業指導では効果があがってきたが学習面では大きく遅 れている。それには専門教科の職員、授業時間、教材の選択や与え方等、質・内容・計画性・人材等に問題があるとの指摘もなされています。院内学習にとどまっている限りは問題ないであろうが家庭復帰後の復学あるいは進学での障害になるケースもみられます。・・・そのためにも、この際導入の如何にかかわらず、制度としてきちんと確立しておいてほしいという意見が多いのもわかります。
 
2.分校、分教室制について
  学校教育法第1条で「学校とは小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、盲学校、養護学校および幼稚園とする」ということで限定されています。従って教護院という名前の学校では不可能と言うわけです。
  分校に関しての記述は、
   学校教育法施行令第25条1項4号の届出、
   学校教育法施行規則第6条「分校設置の認可申請、届出手続き」
            第18条「分校の学級数」 同じく第55条
  とありますが、分教室についての記述は法令上どこにも見当たりません。分教室は本校の学級数にプラスして申請認可をもらっているのが現状のようです。
  分校については「公立義務教育諸学校の学級編制および教職員定数の標準に関する法律」の第16条第1項第1号に「本校及び分校はそれぞれ一の学校とみなす」に従い、独立した学校組織を編成することになります。敷地、建物いずれも教護院のものを使っていても、教護院とは全く関係なく機能していくということです。
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  分校制、分教室制といっても、一気に導入することは現場に混乱を招くおそれがあるので、少人数の派遣教諭の導入からはじめ、(施設と学校の)両者が十分になじみを作っていくことが大切ではないかと思います。
  『養護学校義務化で生じた差別問題を引き起こさないよう慎重に扱ってもらいたい。出来得るならば指揮命令系統は教護院長とすることが望ましい。また、教育委員会直轄の学校、学級として全ての学校を本校とするシステムを検討してもらいたい。・・・』という意見が今も根強く残っています。