教護院にある児童生徒の学籍取扱いについて(行政実例)

昭29.3.26
滋賀県教育委員会教育長 あて
文部省初等中等教育局長回答

照会

1.小中学校に在籍する児童生徒が、児童福祉法第27条によって教護院入院の措置を受けたときは、学校長は学校教育法第26条の適用による出席停止と見なし、その児童生徒の学校教育を教護院長に委託したものと認める。従って、学籍はそのまま学校におき、指導要領等教育関係書類を教護院長に送付する。

2.小学校在学中の児童が教護院入院の措置を受け、教護院において小学校の課程を修了したときは、学校長は学籍を関係中学校に移す。

3.教護院に入院する児童生徒がその措置を解除され、小中学校に復したときは、学校長は学校教育の委託を解除し、出席停止をといたものと認め教護院長の発する修了の事実を証する証明書に基づき該当学年に復させる。教護院長は指導要録等教育関係書類を学校に送付する。

4.教護院において小中学校の課程を修了した児童生徒に対し学校長は教護院長の発する修了の事実を証する証明書に基づき卒業証書を授与する。教護院長は中学校の課程を修了した指導要録等教育関係書類を中学校に送付する。  


回答

1.児童生徒が教護院に入所した場合の就学義務の取扱いについては、現行法上は、学校教育法第23条に規定する「その他やむを得ない事由のため」就学義務の猶予又は免除を受けるべき場合と解するべきで、「出席停止とみなし、その児童生徒の学校教育を教護院長に委託したものと認める」ことはできない。
 従って、御質問の学籍の問題は生じないと解する。指導要録については、その写を校長から教護院長に送付し、児童生徒の入所中の教育に資するとともに所要事項の記入を依頼することが望ましい。

2.中学校へは新たな入学の手続きが必要であり、学籍のない小学校から「学籍を移す」ということはあり得ない。

3.校長がその児童生徒を、当該証明書に基づいて該当学年に編入させるということは、お見込みのとおりである。
  指導要録については、1により了知されたい。

4.卒業証書を授与することはできない。
   指導要録については、1により了知されたい。