設置編解説３　　（現在）

○現在の導入手順

　学校教育導入や見直しの手順は、概ね次のようになる。（政令指定都市の場合は、都道府県を読み替える）

１	都道府県福祉部局・都道府県教育委員会・施設・市町村教育委員会・地元小中学校・児童相談所・家庭裁判所等による、導入検討委員会もしくは見直し検討委員会（仮称）の設置
２	検討委員会にて、設置形態・教員配置・財政負担・管理責任等の検討
３	検討結果に基づく協定書の作成（設置者間の協定であるため、都道府県知事と市町村長）
４	検討継続の確認（将来的に法改正があった場合等に備えて）
５	市町村の学校設置規則や管理規則の改正（分校名、校印・校長印の使用許可等　分教室の場合は不要）
６	市町村教委より都道府県教委への設置報告（認可ではないので報告のみ　分教室の場合は法律上は不要）
７	協定書に基づく教員人事・教材備品購入整備（場合によっては校舎改築・増築）
８	教育課程や年間指導計画の作成

○導入時の課題や留意点

１	学校の導入形態が学校教育法に明記されていないため市町村による設置となるが、児童は都道府県内の全域から入所するので市町村は設置をためらうこととなる。
２	分校は法令上学校として扱われ独立しているが、分教室は本校の一部として扱われ独立していない。したがって、分教室の教員配置や財政は不安定であり、やがて変更されてしまう可能性がある。
３	現行法体系では県立学校制は不可能。中高一貫教育も６年間継続が必要条件となっているため中学校を単独で設置するのは不可能。
４	学籍異動は学校基本調査の関係から欠かせないが、住民異動なしに区域外就学で対応している都道府県もある。
５	施設児童の人権保護の観点から、分校であっても指導要録記載上は本校名のみを記入するのが通例である。
６	卒業証書は人権保護の観点から、卒業前に学籍のみ出身校に異動して発行してもらうのが通例となっている。また、本人が出身校と本校のどちらかを選択できるようにしている所もある。