公立義務教育諸学校の教材費の地方一般財源化について

文教財第一二二号
昭和六〇年五月三一日

各都道府県教育委員会あて

文部省教育助成局長通知

公立義務教育諸学校の教材費の地方一般財源化について

義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部改正により、公立義務教育諸学校の教材費の国庫負担制度が廃止され、地方の一般財源で措置されることとなつたことについては、昭和六〇年五月一八日付け文教財第一一四号「国の補助金等の整備及び合理化並びに臨時特例等に関する法律等の施行について」により通知したところでありますが、このたび、所要の地方財源措置について定めた地方交付税法等の一部を改正する法律が昭和六〇年五月三一日法律第四四号をもつて改正、同日から施行され、改正後の地方交付税法の規定は昭和六〇年度分の地方交付税から適用されました。

ついては、左記事項に留意され適切な事務処理を行うとともに、貴管下の市(区)町村教育委員会にこのことを周知し、義務教育諸学校における教材の整備について遺漏のないよう積極的に指導・助言する等適切な対応をお願いします。

一 教材費の地方一般財源化は、関係省と協議し、恒久措置として行つたものであり、今後は、教材費について地方交付税措置を通じて所要の財源措置が講じられるものであること。

昭和六〇年度においては、地方交付税の額の算定基礎となる基準財政需要額の算定に当たり、その単位費用積算基礎として例えば一八学級の小学校の場合は七四七、〇〇〇円、一五学級の中学校の場合は一、〇〇一、〇〇〇円(昭和五九年度をそれぞれ二・八%上回る措置)とするなど所要の積算措置が講じられていること。

二 今回の措置においては、各地方公共団体が従来と同様な水準の教材の整備を進めるために財政上支障が生じないようにしているところであること。

各地方公共団体においては、学校教育における教材の重要性にかんがみ、従来と同様に各地域や学校の実態に応じて所要の教材費を確保し、教材の整備を進めるとともに、学校に備える教材の経費について保護者負担に転嫁することのないよう引き続き努力されたいこと。

三 各地方公共団体において教材の整備を進めるに当たつては、従来の「教材基準」(昭和五三年七月七日付け文初財第二六九号及び昭和五四年六月二一日付け文初財第二五一号で通知した教材基準をいう。以下同じ。)が義務教育諸学校において標準的に必要とされる教材で国庫負担に適するものの品目及び数量の範囲を示していたものであることにかんがみ、今後においても、この「教材基準」を教材整備のための参考基準として、各学校における具体的な教育方法等に応じた教材の整備を進められたいこと。

四 従来の教材費国庫負担金に係る「教材整備台帳」については、昭和六〇年度以降整備する教材については記入を要しないこととなるが、昭和五九年度までに国庫負担金に係る事業により取得した一定範囲の教材については処分制限期間が定められているので(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二二条、同法施行令第一三条、第一四条、昭和六〇年文部省告示第二八号)、この事務処理に必要な限りにおいて「教材整備台帳」を保持する必要があること。

なお、昭和六〇年度から、各地方公共団体が購入する教材については、当該地方公共団体の「財務規則」に従い、備品として維持管理されるものであること。


【文部科学省ホームページ 告示・通達コーナーより】